忘れもしない96年3月31日に、東京の晴海で開催された“コミック・シティ”の内部イベント用に製作した衣装です。この日は長年親しまれて来た国際貿易センターの施設が、閉館・取り壊しになる前の最後のイベントという記念すべき催しでした。
会場ではセガのPR誌『セガ・ジャック』が特設ブースを作っており、その中のエヴァンゲリオンのゲームが発表されるのに色を添えるために製作/提供した衣装でした。この服はご覧のようにジャケットが赤(一部オレンジ)のビニールレザー製です。このように“何色かの色の生地”を組み合わせて服を作るとき、違う性質の素材の生地をつないでしまうと、どうしてもそこの合わせ目の部分が“つれて”しまいます。アマチュアの方の製作したコスチュームが、色の変わり目のところでよく波打っているのはそのためなんですね。
当店では生地メーカーの協力を受けて、全く同じ素材だけで100種類以上のカラーバリエーションのビニールレザーを確保しています。これだけの色数があると、アニメやゲームなどの服の色はほぼ完璧に再現できます。しかも同じ素材ですから、組み合わせも自由自在という訳です。